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シーフード大好きなスウェーデン人・ストックホルムっ子が待ちわびる秋

2021年10月28日
高見節佳 (デンマーク)

ストックホルム、グランドホテルのシーフードビュッフェ

秋はシーフードの季節

先日、ストックホルムを訪れました。10月の初めは既に冬用コートが必要な寒さ。紅葉も盛りで、空港から市内へ向かう道にも鮮やかな黄色や赤色に染まった樹々が並びます。

今回は事務処理もあったものの、最大の目的はストックホルムっ子の夫が「どうしても行かなければ」と主張するシーフードイベントでした。

ヴァイキングの子孫と自負するスウェーデン人はシーフードが大好き。魚だけでなく甲殻類や貝類なども含めて一年中どのレストランでもお肉に負けないメニューの豊富さです。

特に秋には、ぐっと美味しくなったシーフードを目当てに出かける人も多く、レストランでも秋からクリスマス頃にかけてはビュッフェ形式で提供するお店もあります。

中でもストックホルムっ子が楽しみにしているのが、グランドホテルでのシーフードビュッフェなのだそうです。

グランドホテルはスウェーデンを代表するホテルのひとつで、ストックホルムの中心街、王宮のお向かいにあり、当然ながら王室御用達かつノーベル賞受賞者が宿泊することでも有名です。

そんなホテルが主催する、1年のうちたった数週間限定のイベントは憧れの的。

でもこのシーフードビュッフェが特別な理由は、その会場にもありました。

 

厳冬のストックホルムで愛された『冬の庭』

1900年代初頭のグランドホテル『冬の庭』

このビュッフェが開催されるのは『冬の庭(Vinterträdgården)』と呼ばれる、600人以上を収容できる大広間。

その名前は、1900年代初頭にこの場所に実際の庭園が作られていたことに由来します。

冬が長く厳しいストックホルムでも、青々とした緑が繁る庭を楽しめる『冬の庭』は、その斬新さと美しさからあっという間に人気となり、紳士淑女の社交場として賑わいました。

庭園がなくなった今でも、ストックホルムっ子はこの部屋をとても誇りにしているそうで、美味しいシーフードはもちろんのこと、この場所に来ることそのものも、彼らにとっては大切なイベントなのだそうです。

この会場には、ホテルの正面玄関とは異なる専用の入口があります。

クロークでコートを預けて一歩入ると、プロジェクションマッピングで庭園が映し出され、暖かい雰囲気です。

 

シーフードビュッフェ初体験

グランドホテルクオリティーのシーフード

全体で200席ほど。きちんとクロスがかけられたテーブルにはカニ割ハサミと殻入れもセットされ、ビュッフェ台には山のように盛られたオマール海老やカニ。

産地ごとの生牡蠣が次々と運ばれ、サーモンやキャビアを使った前菜も所狭しと並び、あまりの豪華さにもう笑うしかありません。

もちろんこのシーフードがお目当てなので、ドレスアップしたゲスト達は躊躇なくオマールやカニをテーブルに運び、シャンパンを飲みながら、慣れた手付きで捌きつつ歓談を楽しみます。

シェフが目の前で仕上げてくれる温かいお料理もシーフードづくし。気がつけば私もかなりの量をいただいてしまいました。デザートでリセットして終了。

会場を出てからも、スウェーデンの中でまた異国にいたような余韻が残ります。

夫は「今年も『冬の庭』に行くことができた」と満足そうで、ストックホルムの人にとってはまさに心が安らぐる庭のような場所なのでしょうか。

来年の秋もまた、季節と歴史を感じるイベントに参加したいと思います。

2021年12月3日(金)に『世界のどこでもできる 薬膳講座【冬のアンチエイジング編】〜心と体を養う食事術〜』を開催致します。冬の本気アンチエイジング、薬膳の力で叶えませんか?

デザートワゴンも美しい

Written by 高見節佳(デンマーク)

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