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11月第4木曜日はThanksgiving。心温かくなるアメリカの色々な寄付について

2021年11月27日
スペイツ由美 (アメリカ)

Thanksgiving前後は寄付のシーズン

アメリカでは、11月の第4木曜日は”Thanksgiving(感謝祭)”と言って、一般的には、その木曜日からの週末、遠く離れた家族が集まり一緒に過ごす、日本のお正月の雰囲気に似たHolidayがあります。

年末のHolidayムードのこの季節から2月のValentine’s Dayまでは晩秋から真冬の季節、私の住むミシガン州は極寒の地なのですが、心がとても温かかくなることがあります。

今日は、心が温かくなるような「色々な寄付」についてみなさんに紹介したいと思います。

Thanksgiving Holidayの前後から、街の商店街やスーパーの入り口付近では、『The Salvation Army』の赤い印のついたバケツを持った人たちが募金活動をしている姿をよく見かけます。

小銭でも、1ドルや5ドル、10ドル、20ドル札など金額に関わらず、この赤いバケツにお金を寄付しますと、大きなベルで「リンリン」と音を奏でて、「ありがとう!」と言われます。

雪が積もって凍えそうな日でも、その鈴の音はとても温かな音色と雰囲気を醸し出しています。通りすがりで聞いてるだけでもなんだか嬉しくなります。

同じく学校でも、この時期は来年度の予算に入れるための寄付の募集が始まります。

私が経験したことがある私立の小学校の寄付は、例えば「学校のロゴ入りのマグカップを寄付として買ってください」と、保護者や関係者、ご近所にお知らせが来るのです。

自分の子どもや孫の学校のロゴですと、大抵の親や祖父母は喜んでマグカップを寄付として購入します。その寄付で集めたお金が、次年度の学校の予算の一部に当てられるのです。

 

欧米の寄付の感覚いろいろ

または、生徒たちのお祭りも兼ねて、夕方から学校でラッフル大会(くじ引き)のような催しが行われることもあります。

ボランティアの保護者たちが寄付の品物を集めて、それを商品にして、ラッフル大会が開かれるのです。くじ引きのカードを参加者に購入してもらって、その売り上げが学校へ寄付されるという仕組みです。

もっと大きな規模の寄付になりますと、例えば自分の遺言に全ての遺産を自分の母校の大学に寄付するなんて人もおられます。

アメリカの大学では、校舎や図書館、講堂などに人の名前が付いていることがよくあるのですが、大きな寄付をした人の名前が付いていたりするのです。

教会のメンバーも同じような形で寄付をします。ですから、アメリカ全体の一般的な家庭では寄付をするということは、子どもの頃から見たり、体験しているので日常の普通のことなのです。

私のバックナンバーのコラムを読んでいただくとわかりますが、冠婚葬祭などでは現金のやりとりというのは少ないのですが、寄付となると金額はそれぞれですが、割と躊躇もなく現金や小切手が使われるのです。

また、寄付には現金や小切手だけでなく、「髪の毛」の寄付というのもあります。

ミシガンの私の生徒さんで、髪を長く伸ばしている女の子がいるのですが、その子が髪を伸ばしている目的は「がん患者さんのカツラ用に髪の毛を寄付する」ことだそうです。

 

寄付の形は現金だけでない

家庭で使わなくなった家具や、生活用品、または衣服や靴なども簡単に寄付をすることもできます。衣装や靴に至っては、スーパーの駐車場に大きなポストが置いてあり、簡単に投入できるようになっています。

私の家の近くにあります大きな寄付サービスの団体では、大物の家具などを寄付したい時には、トラックで引き取りにきてくれます。それをこの団体では、リフォームして安価で売るのです。リサイクルですね。

また、労働の寄付というのもあるんですよ。例えば、ホームレスシェルターのボランティアで配膳をする労働の寄付なんでこともできます。そのような光景をみなさんも映画などで観たことがあるのではないでしょうか?

今年の8月9月のコラムではアメリカの物騒な一面をお話しましたが、実はこんな温かい一面も、アメリカの別の顔であるのです。

2020年に引き続き、2021年も世界的なパンデミックや、地球温暖化による自然災害で多くの人たちが亡くなり、また被災しました。

身近なところで、自分にできる小さな寄付やお手伝いを何か一つでもしてみませんか?ドイツ国際平和村へのクリスマスの贈り物ができるイベントを企画しました。もしよろしければ、詳細をご覧ください。

私自身も、12月は寄付をする月です。年の終わりにそういう心がけを持つことで、きっと2021年を気持ち良く締めくくれるような気がします。

同時に2021年を振り返りこのコラムを通してご縁のあった読者の皆様へ心からの感謝を申し上げます。

Written by スペイツ由美(アメリカ)

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