南スペイン・カルタヘナの港
გამარჯობა!!(ガマルジョバ!)みなさん、こんにちは!ナミです。
ジョージアの小学校の夏休みは非常に長く、今年はなんと3ヶ月間。この長い夏休みを利用して、スペインに1ヶ月半滞在しました。
ジョージアの魅力の一つに、ヨーロッパ・アジア・アラブの中央に位置する好立地がありますが、今回の滞在はまさにそれを感じるものでした。
ジョージアからスペインへは飛行機で直行便で5時間。航空券代は一人片道1.3万円程度。
普段の旅行では数日から1週間程度が多いですが、今回は同じ場所に1ヶ月間、暮らすように滞在してみました。
今回のスペインプチ移住を通して気づいた、ジョージアとスペインでの生活周りの違い、子育てのしやすさの観点などから書いてみたいと思います。
スペインの市場(メルカド)に並ぶシーフード
ジョージアでは、自国で生産しているものはとても安いですが、輸入に頼るものについてはスペインの方が価格も安く、品質も遥かに上でした。
ジョージアの方が安いものは、野菜、果物、乳製品、お酒類、家賃、通信費、光熱費、交通費などです。一方、スペインで安くて高品質なのは、シャンプー、基礎化粧品、加工食品、生理用品、オムツなどです。
スペインでは生活必需品にかかる税金が最低限に抑えられており、また「生活必需品」として認められている範囲がとても広く感じました。
例えば、お酒や化粧品など、日本だと「贅沢品」と判断されそうなものも、スペインでは生活必需品という考えのようです。
野菜や果物は新鮮。ジョージアほどではありませんが、日本よりはずっと安価で売られていて、普通に自炊して暮らす分にはかなり生活費が抑えられると感じました。
そして新鮮なシーフードが市場に並んでいたのは嬉かったです!ジョージアは黒海があるものの、物流が整っていないため魚介類が流通していません。
スペインと言えど生食は難しく、「やはり日本の海の幸は世界一」だと改めて感じました。
スペインで仲良くなったお友達と
スペインで一番驚いたのは、12〜13歳以下の子供は外で自由に遊ぶこともできず、親が必ず付き添わないといけないことでした。
私たちが滞在していたアパートの近くに小さな公園がありました。アパート周辺は怖い感じはなく、車もそんなに通らないので、「5分後にすぐ行くから、先に行っておいて」と9歳と7歳の子供だけで外に出しました。
すると、アパートからわずか50m先で子供達は警察に呼び止められ、「子供達だけで遊びに行ってはダメ」と言われたのです。
次女は「何でダメなの?(長女を指し)この子はもうすぐ10歳だよ!」と警察に食ってかかりましたが、「ダメなものはダメ、家に帰りなさい」と家に帰るよう促されました。
子供だけで外出させることについての議論はさておき、少なくともジョージアでは慣れた近所の公園や路地で子供だけで遊んでいる光景が当たり前です。
スペインは見知らぬ土地なのでもちろんすぐに子供を追いかけるつもりでしたが、「ルールだから」と警察が外出そのものを禁じたのには驚きました。
しかも警察がパトロールしているので治安が良いのかというと、そういう訳ではありませんでした。
後日公園で仲良くなったママさん達に教えてもらって知りましたが、幼女を狙う誘拐犯が近辺にいるらしく「こいつには気を付けなさい」と画像を見せられました。
公園は子供の数より保護者の数が多く、「子供達の意思で自由に遊ぶ」という空気感ではなく、必ず保護者同士がアイコンタクト、または挨拶をするのが暗黙のルールでした。
バルセロナの美しいアール・ヌーヴォー建築
今回のスペインプチ移住でわかったことは、中学生以下の子どもがいる我が家にとって、スペインよりもジョージアで生活する方が気持ちの面や実質的に自由度が高く、楽でコスト面でも良いということです。
ただ、実際に行ってみるまでは「西ヨーロッパはすべてが高い!」と思い込んでいましたが、実際はそういう訳ではないというのがわかったのが今回の収穫でした。
スペインは食材や生活必需品や衣類、雑貨、基礎化粧品など、かなりコストが安く、質は非常に高かったです。
普段はジョージアに暮らしながら生活費を抑え、たまにスペインに買い出しに行ったり、長期休暇はスペインで暮らしながら旅をしたりする生活は、予想以上に低い予算で実現できそうです。
もちろん外食ばかりをしているとお金が一瞬で消えてしまうので、自炊をしてバランスよく過ごすのが重要です。
子連れで西ヨーロッパで暮らすのはビザ面のハードルがかなり高いですが、日本のパスポートなら年90日間まではスペインをはじめ、EUに観光ビザで滞在が可能です。
また、スペインではデジタルノマドビザの発給が計画されており、ビザが発給されればスペイン移住者はきっと増えると思います。今回はその視察も兼ねての滞在でした。
季節やスケジュールに合わせて「お手玉のように滞在国を変えて過ごす」というライフスタイルに憧れを抱いていましたが、第一回目のテストは上々といったところです。
「子連れ=身動きが取れない」ではなく、子連れだからこそ、身軽にさまざまな環境でも生きられるサバイバル力を身につけたいですね。
Written by 宮下なみ子(ジョージア)