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フランスの人々が毎年待ち侘びる「ヨーロッパ文化遺産の日」

2022年10月24日
NAOKO (フランス)

9月第3週目の週末は「ヨーロッパ文化遺産の日」

こんにちは!フランス在住のFamily Journey1.2.3代表・グローバル親子コミュニケーションコーチのNAOKOです。

毎年9月の第3週目の週末には、フランスの人々が待ちわびている文化的イベントが開催されます。

それが「ヨーロッパ文化遺産の日(Journées européennes du patrimoine)」です。

皆さんご存知の通り、ヨーロッパには多くの歴史的建造物があり、現在も政治、経済、文化の重要拠点として利用されており、フランス国内では、13,000を超える歴史的建造物を見学することできます。

その多くは普段は非公開で入ることのできない場所ばかりですが、9月の第三週目の週末の2日間は特別!無料で一般公開されます。

ここパリでも、普段は簡単に入れない場所が開かれます。たとえば、フランス大統領官邸であるエリゼ宮、国会議事堂、パリ市庁舎、リュクサンブール宮殿(元老院)・パレ・ロワイヤル(文化通信省)など。

当日は長蛇の列を覚悟しなければいけない場所や、予約の争奪戦の場所もあり、パリに住んでいる人たちも毎年どこに行こうか悩むそうです。

今回私達はずっと入ってみたかった、ユネスコ・UNESCO(国連教育科学文化機関)本部と、ナポレオンが学んだ旧陸軍士官学校の「エコール・ミリテール(École militaire)」に行ってきました。

上記の大人気の場所のように「豪華絢爛!美しい!これぞフランス!」という訳ではないですが、親子で学んで楽しむことができますのでおススメです。

 

平和を考えるきっかけ、ユネスコ本部

ユネスコ・UNESCO本部

ヨーロッパ文化遺産の日なので、多くの方が知っている「世界遺産の登録と保護」を行っているユネスコ・UNESCO(国連教育科学文化機関)本部には行っておきたいと思い、訪ねてみました。

ユネスコは、第二次世界大戦の反省から終戦直後に設立され、「世界遺産の登録と保護」をはじめ、世界の全ての人が教育を平等に受けられるための活動や、ジェンダー(男女の性区別)の平等などをテーマに、様々な活動をしています。

ユネスコの平和への理念を実現するための活動の一つとして、国際的な連携を実践する学校「ユネスコ・スクール」が、世界180か国以上の国・地域で11,000校以上あるそうです。

日本でも令和元年11月時点で1,120校となり、1か国当たりの加盟校数としては、世界最大となっています。出典:文部科学省

建物内部に入るとすぐに、2年に1回開催される総会の主会議場に入ることができました。

会議場に入るとピリッとした空気間があり、国連公用語である英語・フランス語・ロシア語・スペイン語・アラビア語・中国語の通訳ブースが会議場の両サイドにあって外交の場を感じました。

庭に出てみると、イサム・ノグチさんが設計された日本庭園内に、高さ40センチメートルの天使の頭像がありました。

これは元々、長崎の浦上天主堂の正面にあったもので、長崎への原子爆弾の被害を奇跡的に免れたものだそうです。娘とこれを見ながら、「戦争って何だろう?」を語る良いきっかけになりました。

また、あまり知られていないのですが、ユネスコの敷地内には、パブロ・ピカソ氏の壁画をはじめとした沢山の美術作品があり、アートが好きな方にもおススメです。

そして会場内には、フランスの子ども達が必ず遊ぶおもちゃ「カプラ」で作られた世界遺産が沢山作られた部屋もあったり、子どもも一緒に遊んで学べる場があるので、家族連れにもおススメです。

 

ナポレオンの母校「エコール・ミリテール」

18世紀の士官養成学校「エコール・ミリテール」

「エコール・ミリテール(École militaire)」は、18世紀末にルイ15世の命令によって、国の軍事力を強くするために、裕福な貴族だけでなく、貧しい貴族も兵隊の指揮を取れるように訓練する、士官養成学校として作られたそうです。

当日は事前にオンラインで予約をした際に入手した招待状と、身分証明書を提示してセキュリティチェックを通りました。普段簡単に入れない場所だからこそ、身分証明書の写真も撮られるなど、入念に確認をされました。

中に入ると、内部を見学できるだけでなく、銃を持った歩兵隊の行進、乗馬の訓練、馬の蹄の修理をしているところが見られました。

また馬小屋で馬に触ることができたり、銃の練習をするゲーム、軍の車に乗る体験など、子供達も様々な楽しみ方ができました。

ちなみに、エコール・ミリテールとエッフェル塔の間の「シャン・ド・マルス公園(Parc du Champ-de-Mars)」は、今では人々の憩いの場所であり、多くの観光客がこぞってエッフェル塔をバックに写真を撮影する場所ですが、昔はこの学校の練兵所だったそうです。

また先程紹介したユネスコ・UNESCOの敷地も、ルイ15世の騎兵隊の兵舎だったとのことで、今では綺麗な観光地も、歴史を紐解くと、色々と考えさせられる良い機会でした。

今回もコラムを読んでいただき、有難うございました!

フランスでの教育や、「世界で生きる力」を育てるグローバル親子コミュニケーションにご興味がある方は、是非こちらもご覧くださいませ。

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Written by NAOKO(フランス)

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