本当にやりたいことって何？厚生労働省推奨ツール「ジョブ・カード」活用法

日本在住30代のF子さんのお悩み

このコラムでは、世界中の読者から寄せられた仕事やキャリアに関するお悩みに対して、キャリアコンサルタントの岩井真理さんにご回答いただいています。

【相談】

現在、日本のIT企業で働いている30代F子です。新卒で入社した食品関係の商社で3年弱働きましたが、会社を辞めて、ワーキングホリデーで海外へ行きました。

帰国後は派遣社員を経て、現在の仕事に就きました。特にこの業界に興味があったわけではありませんが、給与がまあまあ良かったことと、新しいことへの挑戦だと思って始めました。

しかし最近「このままでいいのかな？」「本当にやりたいことって何？」と、自分のことがよくわからなくなりました。

もし、また転職するにしても、このままではまた失敗しそうな気がします。転職回数も多くなり、もうどうしたらいいのか分かりません。

「キャリアの棚卸し」をしてみませんか？

【回答】

F子さん、こんにちは。世界中どこにいても輝けるキャリア&ライフを応援する真理です。

ワーキングホリデーを経て、現在はIT企業で働いているF子さんは、ご自分のやりたいことが分からなくなってしまったのですね。

ご相談文から、これまで常に好奇心をもって前進されていた様子が想像できました。

しかし、ここへ来て「このままでいいのかな？」と感じていらっしゃるとのこと、つまり、今現在のお仕事には、あまり満足されていないのでしょうか？

新しいことにチャレンジしたものの、F子さんにとってのやり甲斐や手応えを感じられなくなっているのではないかとお察しします。

まもなく2023年も終わり、新しい年が来ます。

年末に大掃除するように、新年に新たな気持ちでスタート地点に立てるように、このタイミングでF子さんご自身の「キャリアの棚卸し」をしてみませんか？

ちょっと面倒くさいって思うかもしれませんが「急がば回れ」です！

具体的な手順とは？

まずは、F子さんご自身がご自分のことをしっかり理解して、より自分らしい一歩を踏み出すには、F子さんがしてきたお仕事を書き出してみましょう。

職歴を順番に書き出して、ご自身の経歴を可視化します。

その時期にどんなスキルや知識が身についたか、ご自分がどんなことを考えていたかも忘れずに書いておきます。

また、今まで取得した免許や資格についても整理しておきましょう。合わせて、これまでの学習歴や訓練歴なども書き留めます。

そして、いよいよここからです。

F子さんがご自身の力を発揮してイキイキと活躍するためには、仕事をする上でのこだわりや大切にしたいこと、実現したい働き方などを明らかにする必要があります。

その手がかりとして、社会人になって仕事始めてから、現在までを振り返り、その時々の満足度を確認してください。人生は、いつも平坦に進むわけではありません。

山あり谷あり、主観的物差しで良いので、どんな出来事が自分に影響を与えるのか考えてみてください。

どのような場面で自分は満足感を得られたのか、困難に直面した時にどのように乗り越えたのか、思い返してみるのです。

そして、その後、仕事を選ぶにあたり、大切にしたい価値観についてもピックアップしましょう。

「専門性を活かしたい」
「マイペースで仕事したい」
「安定よりも挑戦したい」
「プライベートも大事にしたい」

などなど、価値観とは実に多様です。そして、そのどれもがその人の軸となっているのは間違いありません。

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