ALOHA! アメリカハワイ州在住6年目のMitsukiです。
私はハワイ州で看護師として働く傍ら、国際的で活躍したい看護師さんたちをサポートする会社BeLight(ビライト)の代表としても活動しています 。
今月から病院附属の訪問看護師として働くことが決まり、トレーニングが開始されました。
実はアメリカ・ハワイ州で病院就職するのは壁が大きく、正看護師免許を取得してから3年程挑戦していましたが、うんともすんとも言わない日々が続いていました。
アメリカ看護師資格を取る準備や勉強をしている時にも幾度となく、「正看護師ですぐに雇ってくれるところはない」「アプリケーションを出しても出してもなんの連絡もない」「ハワイで卒業した新人看護師はアメリカ本土で病院経験を積んでハワイに戻ってくる」というような話をよく聞かされていました。
実際そのような経験をしました。さまざまな要素が重なり、今回無事に病院就職を果たしたので、その経験を通して感じたことや学んだこと、海外看護師就職の実情の一部などをご紹介したいと思います。
そもそもハワイでいう病院とは、「急性期病院」を指し、6箇所ほど存在します。
そのうちの一つは軍関係の病院で、アメリカ国籍を持っていないと就職が難しい場所もあります。
急性期病院の次の段階ともいえるリハビリ病院や、日本でいうところの一般病床と呼ばれるような機能を持ち、長期療養や高齢者施設などの機能も併せ持った施設はハワイ州全体で40箇所ほど。
そして、もう少し小規模もしくは個人経営のケアホーム、ホスピス、訪問看護ステーション、クリニック(家庭医や専門医)、アージェントケアなどが存在します。
こう見ると、いわゆる病院と言われる場所以外にもたくさんの種類の医療機関が存在しています。
またアメリカでは日本とは異なって、病院もしくは医療機関に就職希望を出すというよりは、「ポジションに応募」という形が一般的です。
例えば「〇〇病院の〇〇病棟のフルタイムポジションに応募」という形になります。ですので、「どこでもいいからこの病院に雇ってほしい」というのは難しい気がします。
採用プロセスは、3段階ほど踏むことが多いです。
流れとしては、病院の応募サイトに登録、人事(HR)から要件を満たしているかなどを含めた面接(電話、オンラインなど)、看護部長や教育担当との面接となっています。
また場合によっては、テストなどが含まれるところもあります。
公式サイトより応募するとパソコンが判断をするので、最低条件を満たしていないと、そもそも人事などの目に止まらないことも。
経験重視のアメリカでは、「可能性」を見越して採用されることがあまりない気がします。
応募している部署の経験がない場合は弾かれてしまうことがほとんどで、経験がある人にはすぐに負けてしまいます。
なのでジョブフェアなど実際に採用担当者や看護部長などとその場でと話せ、履歴書には書ききれない熱意や思いや経験などを伝えることができるのは大きなチャンスです。
コロナで全く開催されていなかったジョブフェアですが、再開されてきました。
また、ハワイのもう一つの特徴とも言えるのが「コネ」。
そこで働いている人からの紹介だったり、知り合いだったりする方が、速やかに採用が進みます。
紹介した場合は、紹介した方とされた方両方にボーナスがもらえる仕組みを取り入れている医療機関がよくあります。
なので応募を出した、もしくは出したい場所に知り合いがいる場合は、採用を担当する人に話を事前に通してもらうようお願いしたりされたりということが一般的です。
また、すでに病院の中で違う部署や違うポジションで働いている人が移動する時も内部での採用が優先されるという実情もあります。
今まで何度も何度もレジュメを書き直し、ここ数年で合算すると数え切れないほど応募をしました。
日本とは違った採用プロセスや風習などがあり、戸惑うことが多く、また幾度ともなく断られたり、連絡が来なかったりするのは精神的にも苦しかったです。
でもこの経験を通して、先を見ながらも今できる目の前のことに取り組んだり、忍耐強くあることだったりを改めて学びました。
そこまで苦労してようやく掴んだチャンスだから思い切りエンジョイしたい、このポジションや場所を謳歌したい、そう思います。
Written by 研谷美月(アメリカ)