「視聴型学習者」という言葉がありますが、私には縁のない言葉だとずっと思っていました。耳からの情報だけでは理解しづらいだけではなく、記憶に残らないのです。
しかも「それを英語で!」となると、至難の業としか思えませんでした。
そんな私がオーディオブック愛用者になったのは、多忙な生活の中で大好きな読書に時間を費やすことが難しくなったからでした。
夫が運転する時に聞くニュースやトークショーなどのラジオ番組の内容がほぼ聞き取れるようになったので、私もオーディオブックを試してみようと始めたのがきっかけです。
今ではオーディオブックなしの運転では物足りなく感じてしまいます。
運転、特に長距離運転が好きでないので、考えただけで気が重くなっていたのですが、今では「運転イコールオーディオブックを聴く」となり、重たい気持ちを一気に楽しみな気持ちに切り替えることができるようになりました。
私たちが利用しているのは、Audible.ca の年間プランで、毎月カナダドル$14.95で一冊聞けます。年間プランに加入していれば、$30ドル以上のものも$14.95で聞けるので、得した気分になります。
使わなかったクレジットは持ち越され、なくなることはありません。ですので、もし使えなかった月があったとしても損することはありません。
更に、一年以内なら返品できるというサービスまでついています。間違って買ってしまった本や期待していたのと違ったり、気に入らなかった場合は、ワンクリックで返品できてしまいます。
このリスクフリーサービスと便利さがAudibleを長く愛用できる魅力でもあります。
私の運転する時の楽しみとなったオーディオブックですが、英語のリスニング力が強化されるという思わぬ収穫もありました。
読み手の声やトーンによっても違いますが、最近リピートして聞いているビジネス書には本当に鍛えられました。
著者は英語ネイティブの方からも「速すぎる」というフィードバックをもらうほどとても早口で話す方。私も聞き始めた最初の頃はついていくのに一苦労でした。
もちろん、聞き逃したところも沢山あり、3~4回ほど聞き直してやっと理解できた部分もあります。この方のビジネス書3冊を3〜4回ずつ聞いた今は、どんなに早口な英語でも聞き取れる自信がつきました。
リスニング力を伸ばすのにとても効果的なオーディオブックですが、ただ聞き流すだけでは思うような効果に達することができないかもしれません。
リスニング力を上げるための教材としてオーディオブックを使う場合、次のポイントを抑えるといいでしょう。
「語学は耳から!」は私が強調するポイントです。特にコミュニケーションできるようになるのが目的ならば、その言語の「音」を聴き取れるようになる、発音できるようになることがとても重要になってきます。
ですが、自分のレベルにあっていないオーディオブックをいきなり聞き始めても単語もフレーズも聞き取れなく、「音の塊」にしか聞こえないはずです。
聞いている内容がほとんど分からないと、バックグランドミュージック化してしまいます。それではどんなに聞いても理解できるようにならないだけではなく、挫折に繋がるのが目に見えてしまいます。
自分のレベル、もしくは少しだけ上のレベルのものを選ぶといいですね。
ビジネス用語をお借りして、英語でも「ニッチダウン」して学ぶことを私はおススメしています。つまり、自分の興味のあるトピック、もしくは実際に関わりのある分野のトピックから始めるとなお効果的です。
興味のあるものと実際の生活の中で関わるものは内容が理解しやすい上、楽しいので覚えやすくなります。
英語学習の教材としてオーディオブックを使う場合、テキストも必要になります。聞こえてくる単語がどの単語か、フレーズはどのフレーズか、ビジュアルからのインプットも欠かせません。
オーディオとテキストを対照しながら使うことが大事です。ですので、本とオーディオブックの両方を揃えましょう。
オーディオブックを英語学習に使用する場合は、既に内容を理解しているものをおススメします。例えば、日本語でストーリーやコンテンツを既に理解している本などはとても良い選択になります。
初めて読む本と違って内容を理解しようとする必要がなく、英語に集中して耳を鍛えることができます。
まだ試したことのない方におススメしたいオーディオブック。自分がワクワクするようなオーディオブックから是非試してみてください!
Written by 林いくえ(カナダ)