MENU

カナダで水が出ない40日間サバイバル生活!水のない日々をこうして乗り越えた

2022年8月13日
林いくえ (カナダ)

大自然に囲まれたドリームハウスでの生活

カナダの大自然に囲まれた郊外にある家は、大都市や住宅街に住む多くのカナダ人にとってもドリームハウスです。

10年前、ハウジングマーケットがまだ今のように手の届かないところに行ってしまう前に、農地に囲まれた敷地に家を建てる機会に恵まれました。

住宅街に住み慣れた私たちが郊外の家に住むようになり、新しく学ぶことが沢山ありました。

例えば、毎日の生活に欠かせない水ですが、水道も下水道もない住宅街から離れた一軒家では、井戸水を使用します。

時代劇に出てくるような、人がスポッと入るような大きな井戸ではなく、今ではドリルで直径20cmほどの穴を開け、そこから下に掘るので、パッと見てもそこが井戸だとは分からないものです。

我が家が建っているこの一帯は砂地であるため、10年前に引っ越してきてすぐから、水の中に砂が混ざるという問題がありました。

濾過システムを設置することでしか解決できないと思っていた私たちは、業者の方に薦められるまま、直径約1メートル、高さが天井の高さまである大きな濾過用のタンクを二つ、地下室に取り付けました。

 

水が一滴もない生活に突入!

我が家の井戸

この10年間、その二つのタンクから砂を排出する定期的なメンテナンスを怠り、急に水が止まってしまったことも度々ありました。

その都度なんとか解決できたのですが、今年の5月末に再び止まってしまい、今度は何をしても水が出なくなってしまいました。

仕方がないので業者の方に連絡し、濾過のタンクを更にもう一つ設置することを薦められたのですが、夏は忙しい時期ということで二週間後のアポイントメントとなりました。

その間水が使えるように、砂で詰まったパイプを切って繋ぎ直してもらい、濾過なしの生の井戸水が使えるようになりました。

ただ、濾過していないため、蛇口をひねると、鉄分と砂が混合した血の匂いのする黄ばんだ色の水と細かい砂が出てきました。

「二週間だけの我慢」と思いながら乗り越えようとしていたのですが、一週間も経たないある日の朝、トイレの中に砂が溜まっていたのです。トイレの水槽の中を見てみると、やはり同じように砂が溜まっていました。

最初は洗い流せた砂も、食器に残ってしまうほどの量になり、このまま使用を続けていたら、大量の砂がSepticタンク(下水タンク)に入ってもっと大きな問題を引き起こすということで、家のすべての水源を止めることにしました。

キレイな水がないだけではなく、水が一滴もない生活が始まったのです。

 

水なしサバイバル生活

毎日15Lボトル8本!水汲み生活

生の井戸水を使用し始めてから、飲み水はコストコの$3.99の15Lの水ボトルを購入するようになりました。$14.99の手動式ポンプを取り付け、飲み水があることに家族みんなで喜びました。

友人からアマゾンで電池で機能する自動式ポンプがあることを教えてもらい、早速こちらも購入。手動式でも十分満足していた私たちは、ボタンを押すと水が出てくる自動式ポンプに感動しました。

洗濯は15分離れたところに住む友人の家でさせてもらいました。溜まっていた洗濯物を持って押しかけ、5人分の洗濯物が終わるまで5時間以上彼らの家に居座ることになり、夕食までごちそうになりました。

シャワーは10分ほど離れたところに住む、もう一人の友人が快く提供してくれました。家族5人で毎晩押しかけ、シャワーを浴びさせてもらい、15Lボトルの水を8ボトル満タンにしてくるという生活が続きました。

まさに「遠くの親戚より近くの友人」ということわざを実感した一週間でした。

次のページ我が家10年来の水問題が根源から解決!その原因とは?

1 2

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ