初めまして、現在ドイツのフランクフルト在住のTowamiです。今回は初回ということで、簡単に自己紹介と私が海外に住みたいと思い始めたきっかけについてご紹介したいと思います。
2010年の4月に駐在員として、スイスのジュネーブへ転勤したのが私の海外生活の始まりです。
私は家族の誰もパスポートを持っていないような、いわゆる「超ドメスティック家庭」で育ち、高校卒業直前まで海外に行ったことがなく、興味も全くありませんでした。
それが大学受験直後のある出来事をきっかけに突如海外に目覚め、「海外で働いてみたい」という漠然とした夢を持つようになりました。勤務先もそれを基準に選び、晴れて入社3年後にそれが叶い、転勤となります。
最初に外国人を見た記憶は確か3−4歳ぐらいの時、地元の公園ででした。目の色が違って、背が高くて、何となく怖かったことを覚えています。
その後中学、高校と英語の勉強が好きで英語の試験の成績は良かったのですが、海外に行きたいと思ったことはやはりなく、外国人との関わりも皆無で、留学生が交換留学に来てもやんわり避けたりしていました。
そして高校3年の終わり、大学受験が皆より一足早く終わりました。自由な時間がたくさんできた時、突然、自分が選んだ進学への道に対して深い後悔を感じ始めました。
スイス・ジュネーブの大噴水(Jet d’Eau)
今思えば本当にどうでも良いことが理由だったのですが、鬱になってしまうのではないかというぐらい朝から晩まで後悔し、悩んで泣いたりしていました。
「このままだと本当に鬱になってダメになってしまう!」と思った私は、「なんだか分からないけれど環境をガラッと変えるしかない!」と思いました。
環境をガラッと変える方法がわからなかったので、「とりあえず何も知らない地に行こう」=「海外に出てみよう」と思いつきました。
大学の附属高校に通っていたので、敷地内の生協のお兄さんに「海外に一人で今すぐ行きたい」と相談し、貯金で払える短期語学留学・ホームスティのパンフレットを一緒に見て、値段が手頃だったカナダのバンクーバーに行くことにしました。
カナダは私が小学生の頃大好きだった『赤毛のアン』の舞台だったというのにも惹かれました。
パスポートを急いで取って、初めてスーツケースを買って、初めての空港、初めての飛行機、初めての海外に、初めてのひとり旅として旅立ちました。
バンクーバーの語学学校など日本人だらけで、ホームステイ先にも日本人の学生が2人いましたし、今思えば超日本人環境でした。
それでも初めてのひとり旅、初めての国で、道行く人や家族と英語で話さなくてはいけない生活が新鮮で、毎日が発見の連続でした。
そしてある日、学校のみんなで見晴らしの良い展望台に登って、遠くの景色を見た時にハッとしました。
高いところから見たらバンクーバーの街が小さく見えて、私がいた日本はずっとずっと遠くにあって、ここからじゃ小さすぎて見えません。
あんなに日本の自分の家で一人で頭の中で悩んでいたことが、とっても小さいことのように思えました。すっと心が晴れる気がしました。
私はこれからもこうやっていつも「自分の存在や頭の中で考えていることは、この世界の大きさに比べたらとっても小さい」ということを感じながら、「常にもっと大きな世界があることを思い出しながら生きていきたい」そう強く思いました。
東京で会社に勤め始めて、高層ビルのオフィスから朝会の途中に窓の外を見たときも、同じことをふと思った瞬間があります。
「今自分がいるところが、世界のとっても小さい一部に思える。広い世界に出たい!」
東京は世界の中でも人口が多くて大きな都市なので、東京にいながらそのように思うのも今考えたらおかしいのですが。
その後、勤めていた会社から辞令が下り、駐在員としてスイスのジュネーブで勤務することになり、私の海外生活が始まりました。
ジュネーブ大学Executive MBAの卒業式
ということで、夢にまで見た海外勤務が実現したわけですが、初の海外生活でそれまでの東京の生活とのギャップや友達作り、そして特に仕事で言葉の壁に悩み、最初の数年はかなり苦労しました。
しかし数年後にはスイス生活がすっかり気に入ってしまい、「ここにずっと住みたい!」と契約をローカル社員のものに切り替えていただき、移住して5年目でスイスの永住権を取得。
その後、現地での基盤を強固なものにするために、フルタイムで働き続けながら自費でジュネーブ大学でExecutive MBAを取得しました。
会社員としてフルタイムで働きながら2年間のMBAをこなす体験は、学習内容そのものに加えて自己管理能力や集中して勉強する習慣をつけてくれ、たくさんの良い友達との出会いをもたらしてくれました。
ちょうどMBAを始めた時に出会ったフランス人の彼と結婚を決めるも、結婚の年にドイツのフランクフルトへの転勤の提案をいただき、2018年11月に夫婦で渡独、今に至ります。
これからのコラムでは、私が海外生活を通して得た皆様のお役に立てるような情報をご紹介差し上げられたらと思っています。よろしくお願いいたします。
Written by Towami(ドイツ)