前回のコラムでは、今年の夏休みに4年ぶりの一時帰国で直面した親の介護問題について書きましたが、この夏、4年ぶりに台湾にいる家族に会えてまず最初に驚いたのは、甥っ子たちの英会話力でした。
彼らは、カナディアンとして育ち英語しか話せない我が息子たちと、ネイティブな発音の英語でコミュニケーションが取れていたのです!
甥っ子たちが中国語を話す環境にいながら英語が話せるようになった秘訣、それは「音読」です。
甥っ子たちが使っている英語アプリは、あらゆるジャンルからの英語のストーリーを読み上げるネイティブの音声を聞き、それをリピートするだけのとてもシンプルなものでした。
これを毎日30分ほど続けただけで、甥っ子たちは英語でコミュニケーションが取れるようになっていたのです。
甥っ子たちの成果を見て、英語で悪戦苦闘している人の役に立ちたいという思いで、TESOL(Teaching English to the Speakers of Other Languages)を専攻した20数年前の私の初心を思い出しました。
文法が難しい、表現の仕方がわからない、言いたことが言えない、発音ができないなど難しく感じたりと、私も苦労しました。
英語を習得するのは「簡単」ではないかもしれませんが、英語が確実に身に付くメソッドは、実は「シンプル」なのです。
どういうことかと言いますと、言葉の習得は一夜にして身に付くものではなく、コツコツの積み上げであるということ。
そして、たくさんあるメリットの中でもっとも大事な要素は、「耳が英語の音に慣れること」だと私は思います。
なぜなら、「音」は言葉の鍵であるからです。話し言葉は音でできていますよね。話せるようになりたいのなら、音の認識と再現ができなければなりません。
相手の発している「音」を言葉として理解することができなければ、そして言いたいことを相手に理解してもらえる「音」で伝えることができなければ、会話での意志疎通は難しいです。
日本の学校でほとんど注目されない英語の音の変化を例に挙げてみますと、
・実際のネイティブの会話では、「have to」は「ハフ トゥ」 と別々の単語で発音されるのではなく、 「hafta(ハフタ)」と一つの単語のように発音される
・「going to」は 「gonna(ガナ)」と発音される
このような音の変化を知らないと、耳に入ってきても聞き取ることはできませんよね。日常英会話で使われる英語は中学校で習うような簡単なものばかりであるにも関わらず、英語がさっぱりわからないとなってしまうのです。
正しい音読法で学ぶと、このような音の変化が自然に身に付きます。
そして、英語の音を認識でき、それを自分でも発音できるようになることで伝わる英語が身に付き、自信もついてくるというメリットにも繋がります。
実際、音読は効果ある学習法として最近認識され始めているように思います。
私にとって「音読のおかげで今の私の人生がある」と言っても過言ではありません。私自身が取り入れてきたシンプルな音読メソッドの素晴らしさを伝えたいとずっと思ってきました。
ところが、あまりにもシンプルすぎて「これだけでいいのか?」と私自身、自信を持って主張することができませんでした。
甥っ子たちの英語学習から改めて音読の素晴らしさを確認し、音読はまさしく私が英語を習得できた鍵でもあるため、「私が伝えるべきものはこの音読メソッドである」と確信しました。
「溢れるほどある英語学習に関する情報をすべて伝えなければ!」と勝手にプレッシャーを感じ、空回りばかりで方向性が掴めず、いろいろ回り道をしてしまったのですが、私自身の経験を生かし、「シンプルこそが魅力的な音読メソッドの素晴らしさを伝えていきたい」という初心に戻ることに決めたのです。
そこで、シンプルで効果的な音読法をマスターし、使える英語を楽しく身に付けることを目的とした音読チャンネルを始めることにしました。
英語を身に付けるのにとても効果的な音読法『LIPメソッド』(我流)に興味のある方はぜひお気軽にお越しください。『LIPメソッド』をマスターし、一緒に音読を楽しみながら英語を自分のものにしちゃいましょう!
エリンの英語音読ちゃんねる:https://www.youtube.com/@erinreadaloud/channels
Written by 林いくえ(カナダ)