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日本人女性の情熱で実現!スペイン・バレンシアで着物展示会、古城で日本文化祭り

2024年5月24日
ホーゲデウア容子 (ベルギー)

バレンシアの美しい青空の元、古城にて日本の伝統文化を披露

日本と海外の架け橋「日本文化海外サポートセンター」

そんな心意気のある彼女が、2023年に日本と海外の架け橋となる、一般社団法人 日本文化海外サポートセンター(JCOS)を立ち上げた。

その一環で、バレンシア着物クラブを中心に行っていた日本文化のイベントを、今年はグッとアップグレード。より華やかに盛り上げた。

通常の文化イベントであれば、現地で日本の伝統文化分野で活動する人々を集めて行うのが精一杯のところだが、美季さんの手腕にかかると一味違う。

クラウドファンディングでできた新しいコネクションを生かして、日本から伝統文化を担う大御所たちをご招待!

志の高い彼女の元には、行動力のある大御所が勢揃いした。

鶴の一声ならぬ、「ミキータ(彼女のスペインでのニックネーム)の一声」がかかると、「彼女の頼みなら参加しようか!」となるらしい。これを人徳というのだなあ。見ていても気持ちが良い。

 

会場はお城!大御所たちの芸術に大歓声

日本舞踊と古城の舞台がよく似合う!

伝統文化にふさわしいイベント会場に選ばれたのは、1000年以上の歴史を持つ文化遺産でもある「クリェラ城(Castell de Cullera)」。バレンシアから電車で約1時間、小高い丘の上に建っている。

初日、お城の屋上に設置された舞台で行われたのは、書道家の山本京子先生によるデモンストレーション。

黒の留袖が舞台に掲げられ、先生が着物に「かな」を書き入れるというもの。先生ご本人も、京都のコンテンポラリー着物デザイナー作のモダンな着物ドレスで登場。

大きな歓声が響いた。ヨーロッパのお客様は「かな」は読めなくとも、「美しいもの」と絵的に映ったに違いない。

「かな」が書かれた黒の留袖はクリェラの副知事のお気に入りとなり、クリェラ市役所にガラスケースを新たに作り、展示されるとのことだ。

その留袖をまとい、大きく、羽衣のように舞い踊って見せてくれたのが、西川流、西川えいれん先生。

舞は現代の日本人も馴染みがあるようで馴染みがない。首の動かし方、手足の動作でストーリーを読む。大きな扇子が美しく顔を隠したり、首や手の綺麗な動きが舞台に花を添える。

日本舞踊にまったく馴染みのない場所で、どのような反応があるかと思いきや、お客様は皆静かに、それでいて熱心に見ていた。

日本の舞の魅力に引き込まれていた様子。カルメンのような情熱とはまた違う、静かな情熱を感じてくれたのではないだろうか。

 

日本の伝統文化が一挙に集まった貴重な機会

日本からの表千家教授お相手に一服をお客様に見ていただく茶道。一座建立

城の中の小さな部屋では、三人の茶道家がそれぞれの茶を点てた。

初日の花を飾ったのは、日本からの表千家教授真貝先生と、半東を務められたのは建築家の鮎澤さん。

赤い毛氈を畳がわりにし、正座のスタイル。「神は細部に宿る」とはまさにこのこと。先生の一つ一つの動きに、お客様も真剣に見入っていた。言葉はいらない。

イベントに参加したヨーロッパ在住の日本組は、海外で何が喜ばれるのかをそれぞれ探求。

スイスからはテーブル茶道、ベルギーからは着物の所作を披露。オランダの練り切りワークショップとベルギーの海外茶道コラボも好評であった。オランダからはテレビ関係者も応援に駆けつけてくださり、祭りを共に盛り上げた。

今回のイベント参加経験で、私も海外で日本の伝統文化を紹介している者としての使命をより深く実感した。

「もっともっと日本を応援したい!」「日本の本物をヨーロッパにお披露目したい!」「海外の舞台で挑戦したい日本人をサポートしたい!」そんな想いにしてくれた日本祭。

ヨーロッパでチャレンジしたい方、お手伝いできることがあると思います。お気軽にお声かけてくださいね!

Written by ホーゲデウア容子(ベルギー)

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