MENU

世界の5人に1人はHSP、男女比はほぼ同じ。最近よく聞くHSPについて深堀りしてみた

2021年9月18日
周さと子 (マカオ)

HSPの背景と4つの特性

最近よく耳にするようになった「HSP」は、Highly Sensitive Personの略。

HSPに対して「刺激や変化にとても敏感で、気にしやすい人」と言葉どおりの認識しかなく「そういう人もいるだろうな~」というおおざっぱな感想を抱いた私は、何を隠そう、非HSP(あまり気にならない人)だ。

HSPとは、アメリカの心理学者であるエレイン・アーロン博士が提唱した概念である。アーロン博士自身とても敏感な人で、生きづらさを抱えていたことから研究へと繋がったそう。

博士の理論では「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特性を全て満たすことがHSPの定義とされる。

①Depth of processing:深く考え、 深く処理する。想像力を働かせる力が強く、じっくり思考を巡らせる。

②Overstimulation:過剰に刺激を受けやすい。刺激に対する反応が表れやすく、疲れやすい。

③Emotional reactivity and high empathy:感情の反応が強く、 共感力が高い。他人との境界線が薄く、相手の感情の感情の影響を受けやすい。

④Sensitivity to subtle stimuli:感覚が鋭い。音や光、匂いなど些末な変化にすぐに気づく。

「HSP 海外」で検索している人は、気にしすぎるが故に日本では生きづらく、海外に住みたいと考える人が多いのだろうか。。そもそも、日本人は神経の細やかな人が多いからHSPは日本でよく見られる気質だったりして。

いや待てよ、私のマカオ人の友人もばっちりHSPに当てはまる。HSPについてほとんど知識がないことに気付いた私は、HSPが何たるかをさらに調べていった。

 

HSPのその他特徴

その他の特徴としては、次が挙げられる。

・人種・性別・年齢に関係なく、どの国民にも約20%の人がHSP気質を持っていて、男女比は50:50である。

・HSPの特性は先天的なものであり、生まれ持った気質である。HSP気質を持つ子どもはHSC(Highly Sensitive Child)と称されることもある。

・人間だけでなく、犬、猫、馬、魚、鳥など100種類以上の動物にも同じ気質がみられることから、敏感さ・繊細さは生存戦略の一つと考えられている。

なんとHSPは日本人特有というわけではなく、世界中、それどころか生物にも多く見られる特性であった!驚き!

「類まれなる感覚の鋭さ」は危険をいち早く察知したり、有益なものを手に入れやすかったりと種の進化上で優位的に働いてきたに違いない。

ただ現在は、利便性や効率が重要視される社会。スピード化、刺激化が進む目まぐるしい環境に、「感覚の鋭さ」が諸刃の剣となり、ストレスを感じる場面も多そうだ。

私のマカオ人の友人はHSPに違いないのだけど、他人の表情をよく読み、どんな時間でも相手に寄り添い、頼りにされるとばりばり頑張ってしまう。結果、自身が疲れたり眠れなくなってしまうというジレンマを抱えている。

そんな時は、断ら(れ?)ない彼女の深すぎる共感力に、一言口を挟みたくなる。その一方で、よく考える堅実派で、行動派でもある彼女は、目の前に立ちはだかる逆境に黙々と立ち向い、黙々と乗り越えていたりする。

そんな時はただただ「すごい!」としか言いようがない。

つまり、HSPの特性は状況と発揮される方向によって、良くも悪くも働くということで、「長所は短所、短所は長所」に他ならない。

次のページHSPが海外で暮らすメリット・デメリットは?

1 2

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ