紅河に架かるロンビエン橋は、ハノイと主要港ハイフォンを結ぶ
皆さんご存知かと思いますが、ベトナムの首都はホーチミン市ではなく、ハノイです。
ハノイはベトナム北部に位置しており、南部にあるホーチミン市からは直線距離でも1000km以上離れていて、飛行機で約2時間の場所にあります。
ホーチミン市は商業・経済都市としてベトナム最大の都市、ハノイは規模としては第2の都市ですが、政治と文化の中心地。また、国内の工業の中心地で、農産物の集散地ともなっています。
この2つの都市は距離も離れていますが、ベトナム戦争終結までは北ベトナムと南ベトナムとに分かれていたこと、また、ハノイは中国に近いこともあって、ホーチミン市とは文化的にも違う部分も多いです。
1月の半ばに、友人のベトナム旅行に合流する形でハノイに行ってきたのですが、ホーチミンとは街の雰囲気が同じ国の都市とは思えないほど大きく違いました。
写真をよく見ていただくと、人々が皆長袖なのが分かると思います
ベトナムは東南アジアの国なので、ホーチミン市のような1年を通してずっと暑い常夏の気候を思い浮かべる方も多いかと思います。
でも、実はベトナム北部は日本と同じく、11~2月頃には気温が下がり、ダウンジャケットなどの防寒着がないとつらい日もあるほどの冬があります。山奥の方まで行くと、雪が降ることも。
私が訪れたのは1月半ばでしたが、昼間でもコートを着ていても寒いと感じるほど、外の気温は低かったです。宿泊したホテルでは、東南アジアの国にいるにも関わらず、暖房をつけました。
一方で、夏にはーチミン市並みに暑くなったりと、日本のように四季のある気候です。気候区分では、ホーチミン市は熱帯サバナ気候、ハノイは温帯に区分されています。
また、ハノイはホーチミン市と比べ、政府のお膝元だからか、規制が厳しいです。例えば、飲食店などは夜10時には閉店してしまいます。
これがホーチミン市だと、深夜まで営業している飲食店や飲み屋さんはたくさんあります。
さらに、ベトナム政府が外国資本が入り込みすぎることを懸念しているのか、ホーチミン市には多店舗展開しているセブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニが1店舗もありません。
ユニクロなど、多店舗展開している企業も中にはありますが、ハノイの街は何らかの形で守られているような印象があります。
人気観光スポット、ホアンキエム湖(Hoàn Kiếm Lake)
ホーチミン市からハノイへ来てみて感じたことは、英語でなんとかなる場面がホーチミン市より少ないということです。
ホーチミン市だと飲食店やホテルなどに限らず、タクシーの運転手さんなどでも、カタコトでも比較的英語を話す方が多いのですが、ハノイではタクシーや街中のローカルレストランで、まったくと言っていいほど英語でコミュニケーションが取れませんでした。
もちろん、ホテルや観光地にあるお店などでは英語が問題なく通じます。ですが、本格的に生活していくとなると、ベトナム語の勉強は必須だと感じました。
ここはベトナムなので当然と言えば当然ですが、ホーチミンでは英語、時には日本語まで通じてしまいます。
ハノイとホーチミン市は文化も違えば、言葉の表現の仕方やイントネーションも大きく違い、日本で言うと東京と大阪のような関係性です。
ベトナム人同士でも、仲が悪いとまではいかないのですが、文化の違いでお互いにギャップを感じることも多いようです。
1つの国の中でこれほど違いのある国もなかなかないので、ベトナム旅行の際にはぜひ両方の都市を訪れて、その違いを肌で感じてみていただきたいと思います。
Written by 平良弥生(ベトナム)