2020年はコロナ渦による激動な一年でした。経済や人の人生までをも変えてしまったコロナウイルス。
今年帰国を考えていた人、海外留学や移住を予定していた人達も、実現できなかった人が多かったと思います。私もその一人です。
できれば今年も帰国したいとコロナ前から思っていましたが、叶いませんでした。でも私はチケット購入などもしていなかったので何も損などはありませんでした。
知り合いの中にはもうすでに購入していた飛行機のチケットや、予約していた宿などのプランも全部キャンセルしなければならない人もいて大変そうでした。
海外留学中だった友人が何人かいましたが、大学留学中でもう少しで卒業だったのに断念して帰国した人、全てオンライン授業になり学校の寮の部屋から出られず、軟禁状態で残りの留学生活を過ごさなくてはいけなくなった人もいました。
大金と貴重な時間を使ってせっかく海外にやって来たのに無念だったと思います。
コロナ渦でも日本にいればすぐ会えたであろう家族や友人。でも海外在住のため今年はおろか、来年も会えるかどうか分かりません。
こんな事態を一体誰が予想できたでしょうか。何が起こるか分からないこの世の中。もしかしたら一生帰国できないなんて事態も起こり得るかもしれないのです。
海外に永住するということは、そういった危機と隣合わせなのだとこのコロナ渦を通して感じました。
自分の故郷を離れて異国に永住するということは、今まで慣れ親しんで一緒に育ったものや人から一生離れて暮らすということ。
自分と血の繋がった家族もいない、子供のころからの友人もいない、慣れ親しんだ食べ物や文化もない、まっさらな状態で自分の人生を築いていくのです。
慣れ親しんだものから離れるというのは想像以上に辛いものです。親や兄弟のように自分を子供の頃から知っている存在がいないのも孤独感を掻き立てます。
それは結婚して家族ができても、一緒に遊べる友人がいても、未だに消えない感情です。
留学などで一時的に海外に住むことと、永住することは全くの別物だということを、結婚して永住した後に学びました。
帰る前提で住むのと、もう一生帰らない前提で住むのは全く違うのです。でも、これは永住してからでないと分からないことだったので仕方のないことでした。
今海外永住を考えている人に伝えたいことは「日本から一生離れる」ということはどういうことなのか、今一度よく考えて覚悟を以て挑んでほしいということです。
その覚悟をもたなければ、「こんなはずじゃなかった」といつか永住したことを後悔したり、挫折したりすることがあるかもしれません。
私自身、後悔していることもあります。後悔するかもしれないと思いながらも主人と結婚する以外の人生を考えられなかったので永住に踏み切りましたが、やはり「永住」の重みを感じることは多いです。
それでも、もし結婚前に戻れたなら移住せずにそのまま日本にいるか?と聞かれたら私はまた主人との人生を選びアメリカに来ると思うのです。
祖国を離れ異国に住むということは、いつでも複雑な気持ちと隣合わせです。
Written by みなと(アメリカ)
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