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カナダの運転免許証取得までのプロセス。ティーンエイジャーの運転練習に同乗体験

2021年11月10日
林いくえ (カナダ)

息子の運転する車に同乗

世にも恐ろしい体験!ティーンエイジャーの車に同乗

多くのティーンエイジャーが16歳の誕生日当日、もしくは直後に免許証取得のプロセスを始めるのですが、日本のような教習所がないため、親である私たちが運転を指導しなければなりません。

幸い私たちの住む郊外の道路は車が比較的少なく、初心者が運転練習するのに向いています。ですが、筆記試験にパスしただけのハンドルの握り方も分からない子供たちが運転をするのですから、いくら親と言えども恐怖を感じます。

日本で運転免許証を取得した私はどのように子供たちに指導したらいいか分からず、最初はすべて夫任せでした。ですが、忙しい夫の都合を待っていてはいつまで経っても練習できないため、勇気を奮って練習に付き合うことにしました。

初めて長男が運転する車に乗った日のことを今でも覚えています。

道路が広い郊外は時速80km制限ですが、たいていの車は時速90〜100㎞で走行しています。最初はなかなか時速60㎞以上出せなかった長男に、「もう少しスピード上げて!」とリマインドばかりしていました。

あまりにもスピードが遅すぎて逆に交通阻害になりそうな時もあれば、左折や右折の後に対向車線に行ってしまったり、スピードを落としきれないままカーブに入ってしまったり、声を上げて叫びそうになる時や大声で怒りたくなる時もあります。

他にも、止まるタイミングや曲がった後の加速など、運転できる私たちが無意識にしている動作も初心者にはなかなか掴めない感覚のようで、横に乗っていてハラハラしてしまいます。

 

体験してみて親として思うこと

カナダの秋のドライブ風景

ドライビングスクールの車と違って、助手席にブレーキがないので、心臓が飛び出しそうになるくらい緊張することもよくありました。

ですが、息子たちがパニックを起こさないように、自分の緊張や不安が伝わらないような口調で、落ち着いて指導することを常に心がけています。あとは心の中で必死に祈るのみですね。

どう考えても日本のように教習所の中でしっかり学び、練習した後で路上に出るのが理想ですが、「郷に入っては郷に従え」とはこのことで、子供たちが運転できるようになるためには、どんなに怖くても運転させなくてはなりません。

練習すればやはり進歩はあるもので、一瞬たりとも目をそらすことができなかった最初の頃と違って、写真撮影ができる余裕も出てきました。

安心して息子の運転する車に乗っていると、子供の成長を改めて感じます。

カナダでの子育ては、運転の練習に付き合うなど大変な反面、子供の成長に直に関わる機会や時間が多い分、貴重な体験でもあり思い出ともなるわけで、長い目で見ればかけがえのないものでもあります。

ですが、若葉マークだけでも是非取り入れてほしいですね。

Written by 林いくえ(カナダ)

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