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定年のタイミングは自分で決める。オーストラリアと日本の「定年」の違いとは?

2024年6月7日
野林薫 (オーストラリア)

オーストラリアには定年制はある?

「いったい何歳まで働かなければいけないんだろう?」「定年が待ち遠しい」

この二つのセリフは、ここオーストラリアでも日本でもよく聞くものかもしれません。

日本の定年は一般的に60歳ですが、近年では多くの企業が定年を65歳に引き上げたり、定年退職後も希望者が働けるように再雇用制度を導入しているようです。

では、オーストラリアの定年制はどうでしょう?

実はオーストラリアと日本では、定年の制度や定年に対する考え方がまったく違います。

今回は、そんなオーストラリアと日本の「定年制の違い」について紹介します。

 

日本の定年制度はオーストラリアでは「年齢差別」

オーストラリアでは、「60歳、65歳に達したら定年退職する」という制度はありません。何歳まで働くかは100%自分次第なんです。

オーストラリアには「The Age Discrimination Act 2004」という、あらゆる状況における年齢差別を取り締まる法律があります。

この法律によって、雇用主が特定の年齢に達した従業員に退職を促したり強制することは禁じられています。

万が一、年齢を理由に不当な扱いを受けた場合は、職場での不当な扱いを取り締まる「Fair Work」という機関に気軽に相談することができます。

今回このコラムを書くにあたり、同僚たちに日本の定年制度を話してみました。

彼らは日本で言うところの「定年に近い年齢」や「定年の年齢」です。

私の話を聞くなり、「えー?それで生活費は足りるの?」「その年齡になると、なぜ退職しないといけないの?」と目を白黒させていました。

日本の定年制度は、彼らにとっては驚きの事実だったようです。

 

仕事に対する意識と定年の関係

私の同僚たちには、50代や60代の人たちが複数います。中にはシングルの女性も少なくありません。

働く理由はそれぞれ違いますが、彼らに共通していることは、「生き生きと自信を持って働いている」ということです。

働くことによって独立心を持てたり、自分が欲しいものや孫の洋服などを買うことで喜びを味わうのも、彼らが働く理由の一つです。

でも、彼らが仕事をすることによって一番楽しんでいるのは、人との繋がりなような気がします。

いろんな世代と一緒に働くことにより刺激を受けたり、自分の経験やスキルをシェアして後輩の役に立ったりしながら、いくつになっても「自分が輝ける場所」を持っている気がします。

どんなポジションでも「年齢差を気にする文化がない」ことも、いくつになっても気持ち良く働ける環境を創り出しているのかもしれません。

そんな「定年世代」の彼らと一緒に働いていると、年齢という数字だけで第一線から退く日本の制度に違和感を感じずにはいられません。

何歳まで働くのかは、人それぞれの状況によって違います。

オーストラリアで働く人たちは、自分の経済状況や体力、Job satisfaction(仕事のやりがいや満足度)などを考慮して、「定年」を自分で計画しています。

今年60歳になった私の同僚も、当面の間リタイアは考えていないそうです。オーストラリアの定年世代は、そんなバイタリティー溢れる人々が多いように感じます。

年齡なんてどこ吹く風とばかりに、いきいきと働く同僚たちに囲まれていると、私も年齡にとらわれることなく、マイペースで息長く働いていこうというモチベーションが生まれます。

旅のお手伝いや観光ガイド、英語講師もしています。下記からご連絡お待ちしています!

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Written by 野林薫(オーストラリア)

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