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アムステルダムの神社で初詣。山蔭神道日蘭親善斎宮(オランダ斎宮)

2024年1月27日
藤村ローズ (オランダ)

オランダ斎宮は神道史上初の欧州における神社

世界有数の祝日が少ないオランダの新年の休みは、カレンダー通りだと、1月1日のみ。

1月1週目は学校は休みだが、私の仕事は2日から始まり、息子のサッカーも1周目の週末にトーナメントに参加するということで、今年も年末年始に一時帰国することは叶わず。

でも、やはり少しでも日本風のお正月を過ごしたかった私が見かけたのは、あるFBの投稿だった。

さっそく書かれてあったWEBサイトに行ってみると、アムステルダムにある「オランダ斎宮」でお祓いを受けたり、お詣りすることができるとのことだった。

こちらの神社の正式名は、「山蔭(やまかげ)神道日蘭親善斎宮(Yamakage Shinto Holland Saigu)」

どちらも予約が必要で、お祓いは約20分間、11:00、12:00、13:00、13:30の4回に行われ、1家族20ユーロ、または1人10ユーロとのことだった。お祓いの儀式の後、日本酒を一杯頂くことができる。

お詣りは儀式はなく、文字通りお詣りをすること。オンラインで行うことも可能とのこと。

せっかくなので新年に身を清めてもらい、一年のスタートを清々しく迎えようと、家族分のお祓いの予約を入れた。

 

アムステルダム中央駅からほど近く

一見普通のアパートメントだが、一歩中に入ると…

予約したのがクリスマス休暇に入ってからだったので、あっという間に当日は近づいてきた。

大晦日はカウントダウンの花火大会に行っていて、帰宅したのが午前2時過ぎ。久々に夜更かしをして、元旦の朝起きられるか心配だったが、ちゃんと起きられた。

シャワーで身を清め、前日から準備していたお雑煮をいただいてから、車でロッテルダムからアムステルダムに向かった。

元旦の午前中は道が空いていて、ちょうど1時間ほど。アムステルダムの行ったことのないエリアだったので、余裕を持って向かった。

アムステルダムの中央エリアの住宅地なので、駐車場の状況もわからない。結局杞憂だったが、オランダ都市部では目的地に着いても、駐車場が空いてなくて周辺をぐるぐる回る羽目になることがあるためだ。

ちなみに公共交通で行くと、アムステルダム中央駅からトラムと徒歩で20分ほど。一度行ってみればアクセスしやすい場所にある。

到着してみると、建物は一見普通のアパートメント。でも、3つの旗が掲げられていたので一目で分かった。

 

オランダ人宮司によるお祓いで身も心も清められ

おみくじを引いたり、お守りを返納・購入したりもできる

一歩中に入ると、そこはオランダと日本がうまく融合された神道の世界。アムステルダム神社がまさにここにあった。

身の穢れを清めるための手水(ちょうず)も用意されており、説明を受けて、久しぶりお詣りする私たちは慣れない手つきで身を清めた。

宮司のオランダ人のポール・ド・レオ氏は、古神道の山蔭神道(浜松)で修行を積み、1981年に最初の外国人の神官として御祭、行法も伝授できる免許を得て、活動を続けている。

祝詞は日本語だが、聞き慣れない言葉も多く、すべてを理解することはできなかったが、名前や住所を読み上げていただき、なんだか嬉しかった。

儀式が終わると、御神酒を一杯ずつ頂戴し、おいしい手作り甘酒まで。その後、おみくじを引いて、お守りを購入して、身も心も清められ、温まり、ここに来られて本当によかったと思った。

儀式の後、ポール宮司を挟んで同じ回にお祓いを受けた人と話したら、彼らはなんとドイツ・デュッセルドルフからとのこと。

ヨーロッパには他に、サンマリノ神社とフランス和光神社というのがあるそうだが、ヨーロッパでお詣りやお祓いが受けられるとはなんとも有り難い。

神道は日本人の心に深く根付いた民間信仰であり、決まった時間のお祈りなどのルールもないのに、無意識に万物に感謝し慈しむことで私たちを守ってくれている。

海外にいながら、神社でお詣りできる機会を作ってくださるポール宮司に感謝しつつ、オランダで年末年始を過ごす人たちにぜひ訪れてほしいスポットである。

ポール・ド・レオ宮司については、こちらで詳しく紹介されています。

【Yamakage Shinto Holland Saigu】
www.shinto.nl/jp/oshogatsu.htm
Windroosplein 184
1018 ZW Amsterdam

Written by 藤村ローズ(オランダ)

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