不用品が出たらとにかく家の前に置いておく
2018年にロンドンに移り住んでからはとにかくそのチャリティー精神に唸ることだらけでした。
まず、どの街にも必ず1軒はあるチャリティーショップ。ガン撲滅の研究費だったり、ホームレス救済だったり、団体によって目的は様々ですが、慈善団体によって経営されています。
個人や企業団体がいらなくなったものを寄付し、それが商品となります。個人としてお店に持って行って寄付することもできるのですが、私はお店に直接持って行ったことはないです。
その代わり、家のポストに毎月慈善団体からのゴミ袋が入れられており、それを利用していました。
袋には「不要な衣類があったらこの袋に入れて家の前に◯曜日に出しておいてください」と書かれています。外に袋を出していると、いつもいつの間にか袋はなくなっていました。
チャリティーショップに寄付するしないに関わらず、面白いなと思うのは「不用品が出たらとにかく家の前に置いておく」という習慣です。
天気の良い日に住宅街を散策していると、家の前にたくさんの物が置かれている場合があります。
家の前に不用品を置いておくと、誰かが持っていってくれます
「持って行っていいよ!」と書かれている場合もありますが、書かれていなくても道に置かれていたら持っていって大丈夫です。
いらないおもちゃや、服や靴など子供が大きくなってしまって使えなくなってしまった物が出た場合、私はまずは家の前においておくようにしていました。そうすると次の日には誰か必要な人が持って行ってくれています。
たまに、私が外に出していた不用品を手にとって眺めている通行人の方とも楽しく会話したりして、楽しい時間を過ごしたりしていました。
カーブーツセールも盛んです。カーブーツセールというのはイギリスでいう蚤の市のこと。「ブーツ」はイギリスでいう車のトランクのこと。不用品を車で運んで会場に持っていき、トランクに並べて売るのです。
私はカーブーツセールに出店したことはないのですが、出店したことがある友人曰く、「とにかくなんでも売れる!こんなもの売れないでしょと思うようなものでも、興味を持ってくれる人がいてなぜか売れる」と言っていました。
文化の違いで、日本人の欲しくなるものとイギリスに住む人が欲しくなるものと違う感覚があるのでしょう。所変われば価値観も変わる。「誰にとって何が大切なのかはわからない」と思ったものです。
この話を聞いてから、「これはさすがに壊れているし捨てないといけないかな」と思うような物でも私はなんらかの形で、リサイクルするようになりました。
でも、まだ使えるのにと思ってもったいなくて捨てられないものってどうしてもあると思います。
「これいりますか?」と、自分の子どもよりも年下のお子さんがいるママ友に自分から聞いて差し上げることもよくあるけど、本当にその人の好みの品物かどうかなんてわからないし、貰ってくれる人も「いりません」とは言いにくい気がします。
それならば、本当に必要な人、本当にその品物を大切にしてくださる方にお譲りするということは、みんながハッピーになれる、とてもいいことなのではないかなと思います。
この春から日本にて新しい生活が始まります。国によって電圧が違うため、電化製品は全て買い直し。家具も新しく買い直さなければなりません。
今までシンガポール、マレーシア、イギリスと我が家を通り過ぎて行った物たちのことを思い浮かべながら、これが本当に自分にとって必要なものなのか考えながら新しい物たちを我が家に迎え入れたいと思います。
Written by 伊藤結子(日本)
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